運気 八門人相 房中術 癒しの杜 菜根譚 小説 会報Back No. 合気 蜘蛛之巣伝 死の超剋 霊的食養 心法
合気揚げ戦闘思想 1
合気揚げ戦闘思想 2
合気揚げ戦闘思想 3
合気揚げ戦闘思想 4
合気揚げ戦闘思想 5
合気揚げ戦闘思想 6
合気揚げ戦闘思想 7
合気揚げ戦闘思想 8
home > 合気揚げ戦闘思想 > 合気揚げ戦闘思想 2
合気揚げ戦闘思想 2


●弛みと腰砕け

 さて、では何故、一日の怠りを取り返すのに「三日」も懸(かか)るのか。
 それは内臓と各関節の、「弛
(ゆる)み具合」と「締まり具合」の関係にある。つまり、「縮み」「歪(ひず)み」「弛み」である。

 特に、外筋ばかりを鍛え過ぎると、その場合、緊張により乳酸の発生を抑え込み、鍛えている間は、乳酸の発生も少なく、筋肉には「弛み」が生じない。しかし、鍛えて緊張させることを怠れば、今までの「絞まった状態」は、忽
(たちま)ちにして「弛み」に変貌する。この「弛み」が曲者(くせもの)なのである。この曲者がまた、「歪み」を喚び、「縮み」を喚ぶ。そこで今までの鍛えた外筋は、弛みに弛むことになり、骨を狂わせ、関節に歪みを起す。

 そして、休んだ一日を取り戻す為に、三日程度の挽回期間が居る。トレーニングを休んでも、食事を摂るのは休まないだろう。稽古を怠る者も、練習を休む者も、その間、休んだからといって食事を休む者は居ない。稽古や練習を休んでも、食事だけはする。実は、この食事が、「弛み」を作るのである。特に摂取の仕方を間違うと、その後は取り返しのつかないことも発生しうる。

 これを順に説明すると、人体は食事の関係と密接な関係を持ち、また「異化作用」と「同化作用」に関係した肉体構造を持っている。

 昔から、「腹が減っては戦
(いくさ)が出来ぬ」という俚諺(りげん)を信じて来た人が多い事だろう。しかし、この言葉は、戦国期の足軽について言えたことであり、上級武士には殆ど関係がなかった。下級武士の端(はし)くれである足軽は、戦場の最前線の最先端にいて、その先端において長槍で戦わねばならない末端の下級兵士である。

 この末端兵士は最初から捨駒
(すてごま)に使われる消耗品であり、極めてその命は軽かった。将棋で言うならば、局面を有利に展開していく為に、相手に取られることを承知の上で打つ駒である。捨駒の彼等が死のうが生きようが、上級武士や君主に於ては関係の無い事だった。

 しかし足軽
(あしがる)風情は、経済的にも貧困であり、いつも腹を減らしてピーピーしていた。そこで彼等が思わず口から漏らした言葉が、「腹が減っては戦が出来ぬ」というものだった。
 これは「自分は戦場の最先端にいて、どうせ死ぬのだから、死ぬまでに、せめて腹一杯、飯でも喰
(く)って死にたいものだ」という、一種の吐露(とろ)が、こうした俚諺(りげん)を生んだものであると思われる。

 したがって、上級武士に、戦場に赴
(おもむ)かんとする時に、腹一杯、飯を喰(く)う馬鹿者は一人も居なかった。今から戦場でひと暴れする者が、その直前に飯等の食物を、腹におさめればどのような結末になるか、誰一人知らぬ者は居なかった。ただ上級武士で、戦場に赴く際、嗜(たしな)まれたのは「茶の湯」だけであった。

茶の湯で夏場に用いられる平茶碗。また、茶の湯に用いられる茶の嫩葉(わかば)は、一種の精神安定剤として用いられて来た。

 「茶の湯」の嗜みは、まず第一が心を安定させ、精神を平静に保って、思考能力を増幅させる効果があったからである。茶の葉の中には、嫩葉(わかば)を採取して製したビタミンCが豊富に含まれている。この精製過程の中には、嫩葉を蒸しこれを冷却し、更に焙(い)って製する独自な肯定が含まれている。

 さて、この精製法を上げると、嫩葉採取の時期は四月頃に始まるが、その遅速によって、一番茶、二番茶、三番茶の別があることは茶道を嗜
(たしな)む人であれば、よく御存じの事だろう。

 湯を注いで用いるのを煎茶
(せんちゃ)といい、粉(こな)にして湯にまぜて用いるのを抹茶(まっちゃ)または碾(ひき)茶という。そして、戦場に赴く武将に好まれたのは後者であった。
 抹茶は茶の新芽を採り、蒸した後、そのまま乾燥して出来た葉茶を臼
(うす)で碾(ひ)いて粉末にしたもので、熱湯を注ぎ掻きまぜて飲む。主として茶の湯に用いられるものだ。この状態の茶は、非常にビタミンCが豊富であり、同時に茶の湯によって、精神を修養する役目も備わっていた。その為に、上級武士に非常に好まれたのである。

 これが室町期に戦場の上級武士達に広まり、茶の湯を立てた後に戦場に赴くと言う、一種の精神安定剤のようなものが、茶の湯に求められたのである。
 茶の湯は、室町時代の村田珠光
(むらた‐しゅこう)を祖とし、武野紹鴎(たけの‐じょうおう)を経て、千利休(せん‐の‐りきゅう)に至ってこれを大成し、禅の精神を取り入れ、簡素静寂を本体とする侘茶(わびちゃ)を広めた。

 特に千利休は、織田信長や豊臣秀吉に仕えて、寵遇
(ちょうぐう)が厚かったことは周知の通りである。名立たる戦国武将が茶の湯を好み、茶の湯の持つ精神安定効果を大いに利用して居た事は、これからも容易に想像がつくであろう。

 したがって、「腹が減っては戦が出来ぬ」の言葉は、雑兵や百姓のみに囁
(ささや)かれたものであり、上級武士には無用の長物であった。
 現在でも、試合に臨むボクシングの選手が、試合前に大飯を喰らって試合の臨むだろうか。
 試合前に食物を取り込めば、必ずその動きは鈍重になり、注意散漫になるのは必定である。鈍重になれば、勝てる相手にも勝てなくなるのである。

 これと同様、食事の取り方にも、人間が食べるべき食べ物にも、必ず制限があり、人間は神から授
(さず)けられた食物を食べるのが正しい。人間の性(さが)と同じ、動物は食べるべきでない。神仏が「彼等を保護せよ」と称する、牛や豚の肉は決して食べるべきでない。四ツ足動物は、神や仏が「保護をせよ」と戒言しているのである。この戒言を破って、動物の肉を食べたところに、現代の成人病は発症するのである。

 この意味で、愚かしい肉食主儀や、牛乳や鶏卵等の動蛋白信仰主義が現代人を益々愚かにし、そして生活習慣病へと誘い、これにストレスが複雑に絡まりあって、ガン発症等の成人病を派生させているのである。仮に、ガン発症を逃れられたとしても、それに代わって、高血圧や動脈硬化、アルツハイマー型痴呆症などの、多くの動蛋白信仰かによく見られる病気を発症させるのである。



●動蛋白信仰と牛乳神話からの解脱

 動蛋白は、まず、血液を汚染させる。次に、血管を脆(もろ)くして肝臓の状態を不安定にする。こうした肝臓の不安定から、肝臓に多量の脂肪が蓄積する状態で、脂肪肝を発症する人も少なくない。こうして腐れ、爛(ただ)れた肝臓は、肝硬変に移行する確率も非常に高くなる。此処に食生活の誤りがある。これは、アルコール性・栄養性・糖尿病性・薬剤性など、現代の元凶がそのまま病気に移行しているのである。食生活の誤りから来る、「自業自得現象」であろう。

 筋肉を付けたがる人間の多くはこうした愚を犯し
易い。スポーツ選手の多くは、「肉はスタミナの元」と信じ、これを信仰して居る人が少なくない。この肉信仰が、躰(からだ)を腐らせ、爛(ただ)れさせ、ガン発症へと誘(いざな)うのである。しかし、この危険性に気付く、スポーツ選手や武道愛好者は決して少なくないのである。

 「肉はスタミナの元」と信じるスポーツ愛好者や武道愛好者は、筋肉重視のスピードとパワーの筋力こそ、技の一部と信じている為に、必ず筋トレの愚に陥る。筋肉さえつければ、「鬼に金棒」と信じているのである。しかし、これこそ愚の最たるものであろう。
 筋肉の付着は、同時に心臓に脂
(あぶら)をつける愚行に陥り易く、心臓肥大症を招く。所謂(いわゆる)、心筋梗塞状態を、無意識のうちに拡大しているのである。

 この状態に陥ると、冠状動脈
(かんじょうどうみゃく)の閉塞(へいそく)または急激な血流減少により、心筋に変性・壊死(えし)を起す疾患と直面することになる。これは若い時期のは殆ど症状が顕(あら)われず、壮年期を迎えた時に顕(あら)われるから、若い時にどんなに暴飲暴食をしても、平気のように思われ、それを壮年期以降もこの儘(まま)の食生活の状態で、見送ってしまうと、そのツケは必ず、心臓障害となって顕われる。
 このツケの顕
(あら)われに、冠状動脈硬化による狭窄部に、血栓・塞栓(そくせん)・攣縮(れんしゅく)などが加わり閉塞を起すことにより生ずる症状が表面化して、これが克明となる。

 壮年以降の年齢に達し、過去の栄光を追い掛けるスポーツ選手や武道愛好者がある日突然、急に劇しい胸痛を感じ、悪心・嘔吐
(おうと)・顔面蒼白(そうはく)・血圧降下を起し、ショック状態となるのは、「肉はスタミナの元」と信じる食肉信仰のツケが、この年齢に顕(あら)れたと言える。

 重量挙選手やボディ・ビルダーによく見られる愚行は、彼等は一様に「肉はスタミナの元」と信じている為、動蛋白過剰で血液が汚染されて居る事である。また、同時に「重い物を持ち上げるからスタミナが必要である」などと思い込んでしまう。そして、ついつい「大喰いに陥る」のである。

 大喰いに陷るスポーツ愛好者や武道愛好者の多くは、また競技スポーツ実践者の為に、だべる時期等を全く考えずに済ましている人が多い。常に大喰いに趨
(はし)り、いつも何かを食べていることが、いざと言う時、「力の源」になると信じて居る人が少なくない。したがって、「口が卑(いや)しい人」が少なくないようだ。

 これは相撲の力士とは対照的である。力士の一日の食事のローテーションは、古来より合理的に作られたシステムの上に成り立っている。彼等は決して朝食を摂らないことだ。朝食を摂り、その後、稽古を遣
(や)ると腰骨を傷(いた)めるからである。

 ちなみに合気揚げを会得する為に、遣ってはならない食品は次の通りである。

白米・白パン
精白米は昔から「泥腐る」と謂(い)われて来た。また、脚気の原因ともなり、膝や足頸(あしくび)を弱くする。ビタミンB群欠乏症になり易く、白米の澱粉質には食物繊維が取り除かれて、便秘の体質を作る。動脈硬化と糖尿病の元凶である。
四ツ足の肉
人間は動物の肉を消化する消化酵素を持たない為、動物の肉に良質のアミノ酸が含まれていたとしても、これを分解できない。その為に、腸内で腐敗・停滞し、腐敗物質となって血液に吸収され、血液をドロドロにして汚染する。「肉はスタミナの元」というのは大嘘。四ツ足の肉こそ、血液を酸毒化する元凶である。肉加工食品のハムやソーセージもナトロン塩過多で同罪。胃腸障害、便秘、痔、肩凝り、腰痛、貧血、思考力低下、記憶力低下、糖尿病、ノイローゼ、不眠症、自律神経失調症、基礎体力低下、種々の早老現象、ガン発症を起す。
また、
「痔」が悪くては、下腹部に気を落とすことができないので、合気の躰動法が出来ない。痔の悪い者が無理に遣ると、腹圧により肛門が破れることがある。更に、腰痛持ちは躰動法をすると、腰の歪みを悪化させ、左右の均衡が狂い、捻れた躰となる。
高級魚の魚肉
四ツ足の肉と同じく、血液を汚染する。特に大型高級魚のマグロなどは四ツ足動物の肉に近く、腸内で腐敗・停滞する。また、就寝時、脚がほてって性欲異常になり易い。性欲異常は四ツ足の肉も同罪。
但し、小型の背中の青い掌サイズの骨後と食べられる魚は、少量摂取する場合においてカルシウム補給となる。
麺類
肥満の原因となり、特にラーメン・うどんの汁は痛風(つうふう)になり易く、煮汁には動蛋白が遣われている。麺類は精白澱粉食で、そのダシ汁は動物性蛋白ことに核酸摂取の過剰となり易い。その為に、足・手指・膝関節などに尿酸塩の沈着を生じて、発作性激痛を反復する疾患を起す。麺類の小麦粉で捏(こ)ねた炭水化物の澱粉質は躰全体を鈍重にし、肥満の原因となる。
但し、蕎麦
(そば)に限り、ダシ汁の良質の物に限り可。
精白塩
ミネラル分を一切含まない精白塩は、単なる塩化ナトリウムで、味つけおよび防腐剤に用いられるが、人体には有害。その意味で化学調味料も同罪。
果物
腰骨の関節を弛め、冷え症の原因となる。また腰骨が弛むと、下肢に至っては膝関節を弛め、足頸は捻挫し易くなり、上肢に至っては肩凝りの原因となり、更には頭蓋骨の関節を弛める。果物で理想的なものはリンゴのみ。
ケーキ・菓子パン
骨からカルシウムを急速に奪う。甘い物の好きな人間は、意志薄弱で優柔不断である。また、食品に甘味をつける為に用いられている白砂糖などの蔗糖(しょうとう)・水飴・果糖・乳糖・サッカリンなどは人体に適さない。普段から甘味料は摂らない方がよい。但し、天然黒砂糖やブドウ糖、麦芽糖(ばくがとう)の少量使用のみ可。
卵類
卵白のアビディンは腸のビオチンと結合し、神経障害や皮膚炎の病因となる。卵は鶏が半病状態で、ゲージ飼されて化学薬剤入りの濃厚飼料を食べ、そこから産まれた無精卵であり、毒性の危険性は大きい。更に心臓と胆嚢との親和性がある為に、常食をすると、臓器の機能障害を起す。
一方、卵黄のコレステロールは、高血圧症や動脈硬化の病因となる。
チーズや乳製品
急増するアレルギー体質や白血病は牛乳の害である。牛乳の含まれるタンパク質の大部分は人体に不要なカゼインであり、アレルギー反応を引き起こし、ミネラルの組成も人体向きではない。また高熱殺菌処理をしている為に、乳糖は乳酸菌を増やす力を失っている。チーズも日本人向きではない。カルシウム摂取は海藻類や小魚介類の方が良質で有効。
チョコレート
ショコラと言われる、カカオの種子を煎って砕いてペースト状にしたものをベースに、カカオ脂・砂糖・香料などを加えて練り固めた菓子であるが、人体には不要で有害性がある。牛乳・卵黄・砂糖・ゼラチン・生クリーム・香料を混ぜ合せ、型に流し込んで冷やし固めた菓子のババロアも同罪。
コーヒー・コーラ
コーヒーの香気と苦味は覚醒効果がある一方、一種の刺激物で、またコーラの、コラの種子の抽出液にシロップ・香料・着色料などを加え、炭酸ガスを含ませた清涼飲料は人体に有害。
タバコ
タバコの喫煙は、ニコチンとタールの有害性により、呼吸器系の障害が起り、また喫煙常習者は意志薄弱となり易い。妄想的精神障害を起す為、喫煙者には、合気の出来る人は殆ど居ない。

 合気揚げを実践する為に、奨励したい食品は次の通りである。

玄米雑穀ご飯
玄米を正食にすると慢性病に対して薬用効果がある。更に、ハト麦、丸麦、粟(あわ)、稗(ひえ)、黍(きび)、小豆(あずき)、大豆、黒米、赤米、更には玄米の未成熟米などを加えて雑穀ご飯にすると、基礎体力がつき、体質も良くなって病気や伝染病に対しての抵抗力が増す。
この胚芽食品こそ、生理的に完全なバランス状態が保てる。
菜根類
野菜は陰陽のバランスを考える事により、体質の中庸が維持できる。春から夏に懸けては生野菜はOKであるが、秋から冬に懸けては生野菜は不可で、煮野菜を食べる。野菜には造血作用があり、葉緑素は間接的かつ直接的に赤血球の造成に深く関わっている。
また腸の蠕動運動を助け、消ガン性を高める。季節の旬の物をとる。
小型海産物
掌サイズの背中の青い小魚介類。また、海藻類やそれに含まれる自然塩などのミネラルは有効で、カルシウムも豊富。小魚介のミネラル分は皮、頭、尾やヒレなどに集中しているので、丸ごと食べられる物がよい。養殖物でなく、天然のもの。イワシが理想的と言える。
また、貝類には銅、亜鉛などのミネラルのうち、微量元素と呼ばれる物質が含まれていて自然治癒力増強になる。
梅干
クエン酸並びにその他の有機酸が含まれ、唾液分泌を増して食欲増進を計る効果がある。弱って胃を助け、胃液の分泌を促して消化力を高める。また、腸内に於ては、抗菌・滅菌作用を顕わし、腸内の異常醗酵を抑え、食中毒を防ぐ効果がある。
沢庵
糠と自然塩を作用させて、圧力と熟成期間を設けた食品である。特に古沢庵は、冷え症に効果があり、体質を陽性化する働きがある。大根の食物繊維やビタミンB群が便通を整え、腸内環境を正常にして、腸粘膜での造血力を大いに高める。
味噌汁
微生物のアミノ酸を大量に含み、整腸作用の働きを持つ。体力回復などに大いに効果がある。胃に負担をかけず、血液を清浄にする。
豆腐
大豆をすりつぶして製した豆汁ごを熱し、布漉ごしして豆乳とおからに分け、豆乳に苦汁にがりまたは凝固剤を加えて凝固させた食品で、蛋白質に富む。
納豆
蒸し大豆に麦こがしと麹こうじを加えて発酵させ、塩水に漬け重石おもしをして熟成させたのち、香辛料を加えて乾し上げた食品で、納豆菌と言う、ただ一種類だけの微生物を働かせているところが、他の発酵食品と異なり、熱にも光にも強く、乾燥に対しても抵抗力を持ち、優れた発酵食品である。その特長は、腸内でビタミンB群を大量に生産することである。
甘酒
酵母や各種の酵素が含まれ、米の飯と米麹こうじとを混ぜて醸かもした甘い飲料である。しかし、甘酒という名が付けられているが、酒の気はなく、また、甘味も米麹から作られたもので、自己消化して生み出されているものであるから、他の甘味料とは異なる。
簡単に甘酒を作りには、暖かい米粥に米麹を混ぜて、5〜6時間置くと甘酒ができる。



●異化作用と同化作用

 人間の躰の構造に一つとして、異化作用と同化作用がある。この作用こそ、人体が持つ構造的な生理機能である。異化作用と同化作用は、常に持ちつ持たれつの関係にある。
 同化作用は、生体物質を合成し、エネルギーを蓄積するに対し、異化作用は生体物質を分解し、蓄積したエネルギーを消化して行くものである。この二つの作用は、夜と昼とで入れ替わる。
 詳細を帰せば、夕食時間の夕暮れから食事時間を終えた朝方までは同化作用が優勢になり、夜が明けて日中の時間には異化作用が優勢になるのである。

 これを具体的に言うと、「食事」と「睡眠」が同化作用の営みであり、「排泄」と「活動」が異化作用の営みとなる。
 食事を行う事は、心身にリラックス状態を齎
(もたら)し、やがてこれが眠りに就く為の誘導を行い、この状態の時に、人体の腰骨は弛(ゆる)み、この関節の弛みが、徐々に腰骨関節に締まりを与えて行く。そして、朝起きた時には、完全に腰骨が締まった状態となる。

 ところが、夜遅い夕食や、深夜の夜食等を取ると、腰骨が弛み放しで、朝になっても、関節の締まりは復元しない。その為に、朝起きて、ギックリ腰と言う椎間板ヘルニアに罹
(かか)る人は多い。朝起きて、洗面所に立ち、顔を洗うだけで腰痛になったり、クシャミを舌だけで腰痛になったり、あるいは後ろから軽く、ポンと叩かれただけで腰痛になる人が居る。これは睡眠中に締まるべき筈(はず)の腰骨が朝方になっても締まらず、弛み放しであるからだ。そして、この元凶が、夜遅い夕食や、深夜の夜食であることは言うまでもない。

 こうした愚を冒さない為に、大食漢である力士も、この愚には細心の注意を払っている。彼等は決して夜遅い夕食と、午後からの稽古を絶対に行わないという事である。彼等の大喰いは、重量を増す為であると考えられるが、しかし、その一日のローテーションは実に合理的であり、夕刻六時までに食事を終えてしまうが、その後、一切朝眼が覚めるまで、夜食等の食事はしない。そして稽古は早朝稽古であり、午後からの稽古は行わない。

 これは、林業等の樵夫
(きこり)やマタギといわれる人達の食餌法(しょくじほう)にも非常によく似ている。彼等は決して朝食を摂らない。朝は軽く茶を呑む等で済まされる。食事を摂るのは昼食からであり、腰骨の弛(ゆる)むのを警戒している為である。朝食を摂れば、必ず腰骨を弛めてしまう。その隙(すき)の腰痛が起る。

 「朝食をしっかり摂る」などの現代栄養学で言われることはまさに愚行である。こうした愚を避ける為に、彼等は朝食は絶対に取らない。この意味では、力仕事をする力士も同じである。

 異化作用と同化作用からも分かるように、朝食を摂ることこそ、愚の最たるものであったのだ。
 現代栄養学や現代医学は、「朝食をしっかり摂れ」と嘯
(うそぶ)く。しかし、愚行は此処にあり、腰痛の元凶は此処にあるのだ。
 本来、武術家や武人は、古来よりこの愚を知っていた。しかし、昨今は西洋科学一辺倒の為、食事の仕方にも西洋科学が持ち込まれ、西洋の論理で食事までが遂行されてしまっている。動蛋白信仰然
(しか)りであり、牛乳神話然りである。

 何が何でも牛や豚を食べねば気が治まらない理論を、現代人に信じ込ませ、この間違いを徹底的に押し付けるのである。こうして成人病は深刻となり、かつての医者は、「医は仁術」どころか、
「医は算術」となり下がり、経済で医学を考える考え方が主流になっているのである。その上、今日、信仰されている現代医学は、眼に見える物だけを相手にする、時代遅れの三次元医学である。時代遅れの思考は、真理なる思考へと転換されなければならない。

 この三次元医学で考えた場合、腰痛などの病気は、西洋科学至上主義で探ってみても、そこに解決の糸口が見出せない。益々悪化させるばかりの現状が横たわっている。
 例えば、一般にギックリ腰と言う椎間板ヘルニアと言う病気に罹
(かか)った場合、痛み止めの注射をして腰椎部分の牽引(けんいん)だけである。

 また、整形外科を初めとして、柔整院や鍼灸院、カイロプラクチック院や整体院では、普通ここでの治療法は、凝っている腰や背中に鍼
(はり)を打ったり、ストレッチ体操をさせたり、暖めてマッサージをしたり、あるいはギックリ腰の場合は「腰痛捻挫」と称して、ここに冷湿布をし、冷すと言う方法で凝(こ)りを解(ほぐ)そうとする。

 凝ったところに意識ばかりを集め、反対側の弛
(ゆる)んでしまったところは手付かずにしておいて、「凝りばかりを弛めている」のである。しかし、これでは腰痛や凝りを慢性化させるばかりで、整形外科、柔整院、鍼灸院に把手は定期的に患者が訪ねて来てくれるので、病因関係者や治療院関係者の糊口(ここう)を繋(つな)ぐ糧(かて)にはなろうが、患者側にとっては、永久に完治する機会を失わせることになるのである。



●伸筋と屈筋は「5:5」の関係でバランスをとっている

 人間はもともと横に這(は)っていた哺乳動物が、直立して「立った」生き物である。そして「直立」し、更に直立歩行する為に、「横の揺すぶり」に非常に弱い状態をつくってしまった。この「弱さ」をカバーする為に、本来は「腰」を落し、「重心」を下げると言う体勢をとらなければならない。直立歩行を安定させるには、この方法はしかないからだ。

 そこで、人間の行動には「直立歩行する」という必須条件が加わり、ここに総ての悲劇が集中していると言えよう。病気的にこれを見れば、「腰痛」であるが、一方これを武術的に見れば、「攻のポイント」となる。

 つまり人体構造を考えると、人間の直立歩行を容易にならしめる条件は、伸筋と屈筋によって腰骨を垂直に立たせていると言うことだ。
 その証拠に、膝の痛みを持っている人や、腰痛持ちの人は、脊柱
(せきちゅう)を腰骨の上に垂直に立てることができない。こうした、真っ直ぐに伸ばせない人は、猫背になったり、腰曲がり状態になり、直立歩行する為の「伸ばす」という役目の「伸筋が力不足」であり、これにより肩凝り、腰痛、膝痛が起るのである。

 また、もう一つが屈筋であり、伸筋と反対に躰
(からだ)の前側や裡側(うちがわ)についている、躰を丸め込む筋肉であり、これが太腿(ふともも)や腹についている筋肉である。

 これらの筋肉は互に
「5:5」の関係にある。この「5:5」に注目すると何が見えて来るだろうか。ここに見えて来るのは「活法」としての医術であり、また、「殺法」としての武術である。

 この「5:5」の関係を保ち、それを釣り合った形で維持することができれば「養生の世界」であり、「医術の世界」であるが、このバランスを崩すことができれば、これは忽
(たちま)ち、「殺法の世界」あるいは「武術の世界」となる。つまり、換言すればこれが「合気の世界」だ。
 敵の身体行動のバランスを失なわしめ、瞬時に伸筋と屈筋の「5:5」の関係を狂わせてしまうのである。

 これは活法においても、殺法においても、「一方が弛むと反対側が緊張する」という、人間の反射神経を利用したもので、反射的に巧みに反応する人間ほど、この状態に罹
(かか)り易い。つまり、腰や尻部、ならびに外側の筋肉である、伸筋に、瞬時的に緊張を与え、宙づり状態にしてしまうのである。
 この宙づり状態は、伸筋を緊張させておいて、屈筋を弛めると言う状態であり、これが実は「崩し」の中にあるのである。

 こうして考えて来ると、武術は「活法の側面を持ちつつも、また「殺法の側面を持ち、じつが「病気に罹
(かか)る」と言う事が、「技に掛ける」と言う状態に、人工的であるが、非常に酷似していることになる。
 則
(すなわ)ち、「技に掛ける」ということは、人工的に瞬時に病弱状態を造り出し、それが敵を制すると言う状態を作っていることになる。

 人が、「腰痛になる」「肩凝りを起す」「膝痛を起す」「背中痛が起る」ということは、実は「腰砕で動くなる」という事と同じ状態を、特異な「崩し」によって再現させることが、「合気の世界」の特長で、この瞬間状態に於てのみ、人は一瞬にして「宙吊り状態」にさせられてしまうのである。
 つまり、人工的に伸筋と屈筋をアンバランスにしてしまうのである。このアンバランスにより、「宙吊り状態」が再現される。

 この「宙づり状態」にさせられるのは、体格の大小を問わず、また体力の強弱を問わず、人間がごく自然に腰痛などの病気に罹
(かか)る状態を、「崩し」によって人工的に再現させているだけの事である。
 宙吊り状態にされると、1本のロープに吊るされたように宙吊り状態が起る。つまり、空中にとり残されたような感覚となり、瞬時に崩されて「ちゅうぶらり」になるのである。術者の手頸
(てくび)や腕、また道衣の上から型や胸を掴むと、「ちゅうぶらり」の体勢になる。

 手を放せば落下する感覚に襲われ、落ちるのが厭
(いや)なら、いつまでも頑張って1本のロープに掴まるしかない。いかし、放さないと自らの動きは術者に制せられ、爪先立ちにされて宙吊り状態になる。人工的に伸筋か緊張し屈筋が弛み、あるいは伸筋が弛み屈筋が緊張する「5:5」の関係が崩れる状態が起るのである。



  運気     八門人相     房中術     癒しの杜     菜根譚     小説     会報Back No.     合気     蜘蛛之巣伝     死の超剋     霊的食養     心法